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ニッカウイスキー 北海道工場


 ニッカウイスキー 北海道工場(余市蒸留所)は、ニッカウイスキーの創業者・竹鶴政孝が1936年(昭和11年)にウイスキーの蒸溜、貯蔵を開始したニッカの創業地です。工場内には、生産設備の他に、ウイスキーの歴史や製造方法、ニッカの生い立ちなど幅広い資料を展示した「ウイスキー博物館」、創業者竹鶴政孝とその妻リタ(英国スコットランド出身)が暮らした旧竹鶴邸、レストランやティールーム、原酒直売所などがあります。事務所棟は、工場の正門を兼ねています。木骨石造で、余市駅に向き合う位置にスコットランド中世城郭をイメージしたとされる塔を置き、アーチ門を開いています。門の上階は貴賓室とし、両側には事務所と倉庫を配し、広場側出入口は切妻造でアーチ開口で飾られています。工場のランドマークとなっている建物です。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 蒸溜棟は、正門内広場の南に位置する工場の中核施設で、石炭焚きの蒸溜器5基が設置されています。外壁は江戸切の軟石で、アーチ形の戸口と?付の回転窓を開いています。鉄板葺屋根の棟上に明かり塔を設けています。蒸溜器を大型化するために軒高を高くし、小屋組を鉄骨造としています。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 貯蔵棟は、蒸溜棟の南に並んで建っています。木骨石造の平屋建で、東側で事務所棟南部と接続されています。倉庫として建設され、現在は蒸溜液受タンク室となっています。屋根は切妻造の鉄板葺で、西妻面にアーチ形戸口を開け、妻壁北側を立ち上げて蒸溜棟と連続させることで一体の景観を形成しています。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 リキュール棟は、貯蔵棟の南に並ぶ木骨石造の平屋建で、間口4間半奥行15間です。屋根は切妻造、鉄板葺で、明かり取りの越屋根を設けています。小屋組は木造トラスです。外壁は江戸切の軟石で、軒蛇腹は妻に廻った位置で止めています。アーチ型の出入口には引分けの木製扉を建て込んでいます。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 第一乾燥塔は、正門内の広場西に建つ木骨石造です。正面中央が乾燥塔で、内部の煉瓦竈でピートを焚き、上部塔屋で麦芽を乾燥します。乾燥塔の南北に屋根を葺き下ろし、北側が旧製粉工場、南側は西背後に延び、内壁鉄板張とした木骨石造平屋建の倉庫となっています。余市蒸留所のシンボル的存在です。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 第二乾燥塔は、第一乾燥塔とともに正門内広場景観の核となる建物です。第一乾燥塔と同形式で、正面に3箇所のアーチ形戸口を開いています。中央部が乾燥塔で、寄棟屋根の中央を立ち上げ、排気口としています。乾燥塔の南北は倉庫で、北側は西背後に延び、第一と対称形になっています。小屋組は木造トラスです。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 研究室は、工場敷地の旧地主但馬八十次の住宅を購入し、事務所と研究室としています。木造2階建、切妻屋根の主棟に棟を直交させた切妻屋根の従棟が続き、腰折れの屋根窓などで飾られています。基礎は玉石積、外壁はモルタル塗で、開口部の多い開放的な造りにに特徴があります。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 旧竹鶴邸は、当初工場敷地内に建設されました。後に山田町に移築され、平成14年に余市蒸留所の現在地に再移築されました。創業者竹鶴政孝・リタ夫妻の住宅です。1935年(昭和10年)竹鶴夫妻の住居として工場内に建設され、スコットランドから嫁いできたリタのために建てたといわれる洋館で、妻への思いやりが随所に感じられる和洋折衷の間取りや様式を特徴としています。木造モルタル仕上の玄関部に木造下見板張の主屋が続いています。洋風外観です和室を配し、内装には和風意匠が多く採り入れられています。
 
 ニッカウイスキー 北海道工場 第一貯蔵庫は、旧竹鶴邸の南に位置する余市蒸留所で最初に建設された原酒貯蔵庫で、木骨石造の平屋建です。梁間4間半桁行27間の切妻造、鉄板葺で、軒蛇腹は妻壁に廻った位置で止めています。妻面にアーチ形の戸口を開き、上部に小窓を設けています。小屋組は木造キングポストトラスです。
 
文化財指定:国登録有形文化財(第01-0053号から61号)
構造:木骨石造平屋一部2階建、鉄板葺、建築面積907m2事務所棟:。蒸溜棟:鉄骨石造平屋建、鉄板葺、建築面積453m2。貯蔵棟:木骨石造平屋建、鉄板葺、建築面積249m2。リキュール棟:木骨石造平屋建、鉄板葺、建築面積223m2。第一乾燥塔:木骨石造平屋建、鉄板葺、建築面積426m2、塔屋付。第二乾燥塔:木骨石造平屋建、鉄板葺、建築面積426m2、塔屋付。研究室:木造2階一部平屋建、鉄板葺、建築面積195m2。旧竹鶴邸:木造2階建、鉄板葺、建築面積192m2。第一貯蔵庫:木骨石造平屋建、鉄板葺、建築面積402m2。
建築年:1940年(昭和15年)頃:事務所棟・貯蔵棟。1935年(昭和10年)頃、1961年(昭和36年)増改築:蒸溜棟。1939年(昭和14年)頃:リキュール棟・第一貯蔵庫。1940年(昭和15年)頃:第一乾燥塔・第二乾燥塔。1931年(昭和6年)頃:研究室。1935年(昭和10年)頃、1946年(昭和21年)と2002年(平成14年)移築:旧竹鶴邸。
 
ニッカウイスキー 北海道工場 地図(中央のポインターの場所がニッカウイスキー 北海道工場です)
地図の赤線が、JR函館本線 余市駅からニッカウイスキー 北海道工場への道順です。
 
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住所:北海道余市郡余市町黒川町7-6-1、7-95
最寄交通機関:JR函館本線 余市駅
  1. ニッカウイスキー 北海道工場
  2. JR函館本線 余市駅
  3. 道の駅スペースアップルよいち、余市宇宙記念館(スペース童夢)、余市町は宇宙飛行士・毛利衛さんの出身地
  4. よいち観光温泉
 

 
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