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神田明神


 神田明神(正式名称:神田神社)の本殿(国登録有形文化財:第13-0149号)は、鉄骨鉄筋コンクリート造、入母屋造平入、本瓦型銅板葺で、梁間前方2間を外陣、奥1間を内陣とし、軒は出組、2軒繁垂木としています。伊東忠太が顧問、大江新太郎、佐藤功一が設計の震災復興社殿群の中心建物で、伝統的な木造の繊細な比例、意匠を巧みに踏襲しています。
 
神田明神の幣殿(国登録有形文化財:第13-0150号)は、本殿と拝殿を繋ぐ建物です。間口33尺、桁行15尺、両下造、本瓦型銅板葺です。内部は拝殿と同高に畳敷の床を張り、台輪上の組物で、中央折上げ、両脇組入天井を受けています。本殿側軸部は金箔押で組物に繧繝彩色が施されています。伝統的手法を基本に、随所に新規の納まりが見られます。
 
神田明神の拝殿(国登録有形文化財:第13-0151号)は、中央間を広く取った桁行7間、梁間6間、入母屋造、本瓦型銅板葺で、正面5間に向拝を付し、両脇突出部に切妻屋根を架けています。内部は前方四半敷の土間、後方畳敷床上部としています。社殿群中最大の建物で、伝統的構成を基本にしつつ、装飾や比例に新感覚が充溢しています。
 
神田明神の神饌所(国登録有形文化財:第13-0152号)は、本殿東方に位置し、桁行・梁間各2間、入母屋造、2軒繁垂木、本瓦型銅板葺で、東面に張出しを付した構造です。内部は拭板敷で、南東隅に踏込土間を設けています。小規模ながら高い基壇上に建ち、主要社殿同様全体を弁柄色塗とし、随所に金箔押金具を飾り格式と荘厳を整えた建物になっています。
 
神田明神の宝庫(国登録有形文化財:第13-0153号)は、本殿西方神饌所とほぼ対称の位置に建っています。高床の校倉形式になり、台輪上に大斗舟肘木を載せ、2軒繁垂木の軒を受け、屋根は入母屋造、本瓦型銅板葺としています。伝統的形式を基本としながら、校倉の最下部を肘木で受ける納まりなど、要所に特徴ある新造形を見せています。
 
神田明神の瑞垣(みずがき、国登録有形文化財:第13-0154号)は、本殿周囲を神饌所と宝庫の間で折れ回りに囲う透塀です。柱を地、腰、内法の各長押で固め、腕木で出桁を受け、疎垂木、本瓦型銅板葺屋根を載せています。北面中央に門を開き、その他の柱間は上半を連子窓、腰部は吹寄せに襷桟を打っています。社殿群北半の構えに欠かせない施設です。
 
神田明神の東門(国登録有形文化財:第13-0155号)は、神饌所南方に脇障子風板塀を介して接続されています。外側は基壇上に載り北より第2間に門口を開き両開桟唐戸を吊り込んでいます。北方に1間、南方には拝殿側面まで矩ね折れに5間、北半と同形式の玉垣を回しています。拝殿、神饌所とともに、複合社殿正側面の構成上欠かせない施設です。
 
神田明神の西門(国登録有形文化財:第13-0156号)は、宝庫南方に脇障子風板塀を介して接続されています。外側は基壇上に載り、北より第2間に門口を開き、両開桟唐戸を吊り込んでいます。北方に1間、南方には拝殿側面まで矩ね折れ5間に北半と同形式の玉垣を回しています。拝殿及び宝庫とともに、複合社殿正側面の構成上欠かせない施設です。
 
神田明神 地図(中央のポインターの場所が神田明神です)
 
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住所:東京都千代田区外神田2丁目16番2号
 
文化財指定:国登録有形文化財(第13-0149号から156号)
構造:本殿:鉄骨鉄筋コンクリート造平屋建、銅板葺、建築面積63m2、幣殿:鉄骨鉄筋コンクリート造平屋建、銅板葺、建築面積46m2、拝殿:鉄骨鉄筋コンクリート造平屋建、銅板葺、建築面積335m2、神饌所:鉄骨鉄筋コンクリート造平屋建、銅板葺、建築面積19m2、宝庫:鉄骨鉄筋コンクリート造平屋建、銅板葺、建築面積17m2、瑞垣:鉄骨鉄筋コンクリート造、銅板葺、延長60m、東門:鉄骨鉄筋コンクリート造、銅板葺、間口1.8m、玉垣折曲り延長14m付、西門:鉄骨鉄筋コンクリート造、銅板葺、間口1.8m、玉垣折曲り延長14m付
建築年:本殿・幣殿・拝殿・神饌所・宝庫・東門・西門:1934年(昭和9年)、瑞垣:1937年(昭和12年)
 

 
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