いこまいけ高岡 >
立山 >
ハイキングと登山 >
室堂から室堂山展望台へのハイキングコース
冬の室堂山展望台ハイキング(2013年11月23日)
室堂山展望台は、
室堂平にある国指定重要文化財「
立山室堂(立山室堂山荘)」の南へ伸びる登山道を約40分ほど急坂を登った場所にあります。展望台といっても特に整備されているわけでなく、案内地図が設置されている広場のような場所です。立山カルデラの縁に位置し、カルデラ全体を眺められ、南に目をやると薬師岳から槍ヶ岳にかけての北アルプス南部の峰々を一望できます。
夏場であれば登山道を単純に登り下りするだけで、雄山へのメインルートから外れ登山者は比較的少ないのですが、雪のあるシーズンは大賑わいになります。11月中旬になると室堂では積雪が多くなり、他の地域に先駆けてスキーシーズンが到来します。室堂山から国見岳にかけての斜面は、適度な傾斜とまぁ自力で登って行ける程度の長めのスロープがあるため、室堂周辺の斜面でも山岳スキーに適した場所です。
必要な装備としては、山スキー(アルペンスキー、テレマークスキー)、スノーシュー、ワカンジキなどが有れば登れます。踏み跡さえあれば、スノーシューやカンジキが無くても何とか登れますが、普通の長靴や雪国で販売されているウレタン入りで滑り難いように靴裏にイボイボの長靴だけだと登り斜面では滑ります。「雪道ウォーカー」などと呼ばれている長靴の裏に簡易スパイクを装着すれば、私の経験では雪国仕様の長靴で登れました。ただしそれなりに悪戦苦闘することになります。最低限の装備としてはカンジキが必要だと痛感しました。
所要時間(往復):夏道であれば1時間30分(歩行時間のみで休憩の時間は含まず)
コース概要:室堂ターミナル~(平地10分)~
室堂山荘~(登り40分)~室堂山展望台~(下り30分)~室堂山荘~(平地10分)~室堂ターミナル
冬の室堂山展望台ハイキング(写真:2013年11月23日撮影)
立山三山と室堂山展望台への斜面で山スキーを楽しむスキーヤー
室堂周辺の山並みのパノラマ写真(写真:2013年11月23日撮影)
左の山から大日連山、毛勝山、わずかに剱岳、別山、真砂岳、右端に立山三山の富士の折立と大汝山です。
2013年11月23日 冬の室堂山展望台ハイキング 登山記録 始まり・・・
11月23日は、日本海側のこの時期特有の数日続いた悪天候が治まり「晴れ時々曇り」の天気予報でした。前日夕方のニュースによれば室堂の積雪は2メートル50センチです。今年最後の立山として絶好の登山日和です。冬山の装備は無いですが、何とかなると思って自宅を7時過ぎに出発しました。夏場だと車で1時間くらいあれば立山駅に到着するのですが(夏は5時に家を出ていたから車も少なかった・・・)、今回は7時に出たので急いで行ったのですが8時20分過ぎに立山駅前の駐車場に到着。ガラガラかと思いきや、駐車場は9割ほど埋まっていました。駐車場からして夏場と様子が違っているのにはビックリ、登山客とスキーヤーでは微妙に客層が異なるんですかね?
室堂へ接続するケーブルカーは一番早いのが8時40分発です。切符売り場は既に開店しており長蛇の列、7割くらいの人はスキー靴を履いています、歩き難そうです、室堂まで1時間半ほどスキー靴って大変そうです。切符売り場の長蛇の列に並び、やっと私の番が来て、ケーブルカーは9時20分発でした。私は「立山アルペン倶楽部」の会員になっているので今回(昨年から累計7回目の利用)は3割引きとなり室堂までの往復が2940円でした。ちなみに11月は「お客さま感謝月間」になっており、立山黒部アルペンルートのWebサイトにある切符購入券をプリントし必要事項を記入して窓口に提出すれば「アルペンルート全線2割引き」となっていました。
室堂行きの切符を握りしめて、ケーブルカー立山駅の建物に入ると凄い数の人々です。休日の夏山と大差の無い込み具合です。山スキーやスノーボードが嵩張って、ザックの後にはスノーシューが括り付けられ・・・。スキーブームだった時代のスキー場のゴンドラ乗り場を思わせる光景です。基本的にスキー板やスノボーおよびスノーシューは、室堂へ到着して直ぐに使えるようにむき出しの人が多いので、ちょっと危険です。袋(カバー)に入れて欲しいです。
8時20分発の室堂へ接続しない第一便のケーブルカーは出発していますが、第2便の室堂へ接続するケーブルカー(8時40分発)がなかなか出ません。アナウンスがあり「昨日からの積雪が多く、アルペンルート・高原バス路線の除雪に時間がかかっています」とのことでした。結局、私の9時20分発のケーブルカーは9時50分頃となりました。閑だったので、スキーヤーと雪山登山の人の装備を研究してました。スノーシュー、冬用の登山靴、アイゼンが欲しくなりました、春の立山に向けて妥協でワカンジキを買うかもしれません・・・。
標高475メートルの立山駅周辺は雪がありませんでした。ケーブルカーに乗車し7分の美女平は標高977メートル、さすがこの標高になると薄っすらと雪が積もっていました。美女平では高原バスに乗り換え一路室堂へ、時刻表では約50分ですが道路状況がよく弥陀ヶ原へ止まらず直行であれば大体40分ほどで室堂へ到着します。美女平から室堂までの標高差約1500メートルを一気に登るので車窓の風景は初冬の淡い雪景色から室堂近くでは(下界のレベルで)厳冬期なみとなります。ただし積雪量は道路周辺の見た感じ1メートル強でした。春の雪の大谷を見たことがあれば、まだまだこれからです。室生ターミナルに着いたのは11時頃です。後で知ることになるのですが、11時少し前に真砂岳の下にある大走りの斜面で雪崩が発生し山スキーをしていた7名のスキーヤーが巻き込まれたのでした。
室堂ターミナルで雨具のズボンを履きスパッツを付けて11時15分頃に外へ出ました。気温は氷点下付近だと思います。空は雲の無いすっきり晴れた青空です。右の写真が室生平を歩き始めた時の様子です。そうそう、雪原なので目をやられない様にサングラスもしくはゴーグルが必須アイテムです。カンジキすら持たずに長靴だけの私は、スキーの跡をなぞるように進みました。夏だと登山道しか歩けませんが、雪がたくさん有るのでそこらじゅうを歩けます。ただし積雪が少ないような場所は、ハイマツや高山植物を踏みつけないように注意して歩く必要があります。ほぼ平地を歩いているだけでも長靴では滑りました。一応、雪国仕様の裏にゴムのイボイボが着いた長靴でしたが、これじゃ斜面は到底無理とあきらめ、昨年ホームセンターで買った長靴の底に取り付ける簡易スパイクを装着すると良い塩梅でした。自宅の雪かき用に買ったのですが結局使わず一年放置していましたが、持っていて良かったです。
少し歩いて室堂山展望台への斜面に到着。夏の登山道であれば室堂山荘の前まで行って、右手(南側)に折れて登山道をひたすら登るのですが、今回はスキーの跡を道しるべにを適当な踏み跡を登っていきます。斜面を登ると当然ながら高度を増し、振り返ると一面銀世界にスキーのシュプールで模様が描かれた室堂平があり、澄み切った青空の下、北側にチョコっと私の大好きな剱岳、剱から右へ視線を移すと別山、真砂岳そして立山三山がいずれも白い雪で覆われています、絶景です。最初は急な登りですが、浄土山へ向かい登山道の分岐点を過ぎた辺りから傾斜が緩くなります。緩いとは言え、ある程度の傾斜があり先は見えず、「あそこまで行けば展望台?」と勘違いを3回くらい繰り返すと室堂山展望台です。
雪に脚をとられ、時には腰まで埋もれながらも、1時間半かけて標高2675メートルの室堂山展望台に到着(12時40分頃)。雪はありましたが、地図の案内板がまだ埋もれていないので場所に間違いはありません。室堂山展望台の先は、立山カルデラの崖になっているのでズンズン行き過ぎて落ちないように注意しましょう!!!室堂山展望台に着くと多くのスキーヤーが休憩していました。「う~ん、槍も見える」と独り言を言いながら私も休憩、まず梅酒をゴクゴク飲み、お握りをパクパク。お握りを持つ手が悴んでとても寒いです。ご飯を食べ終わったら、再び梅酒をゴクゴク、180mlの小ペットボトルのため、瞬時にカラとなりました。暖かいコーヒーを水筒に入れてあるのですがトイレが無いので我慢しまし、梅酒を飲んでいたのであり、私は決してアル中ではありません。
食事と梅酒が終わり、いよいよ本日のメインイベントであるアルプスの撮影タイムです。機材は(って程でもないですが)、ボディがニコンのD800、レンズは広角ズームのAF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VRです。この焦点距離の広角ズームは、室堂平で使うと立山三山と周辺の景色が良い割合で入るのでお気に入りなのですが、アルプスなどの広い景色で使うと「何がメイン?」ってなことになりました・・・。前に山で知り合った人に、「山風景で広角ズームは主題が不明確になりがち」と教えて貰っていたので予想はしていましたが、やはり宜しくなかったですね。
冬の室堂山展望台から眺めた北アルプス南部の山風景(写真:2013年11月23日撮影)
室堂山展望台から南方を眺めた山景のパノラマ写真(写真:2013年11月23日撮影)
槍ヶ岳と穂高連峰
|
薬師岳
|
水晶岳
|
室堂山展望台で記念撮影(自分ドリ)
|
槍ヶ岳をメインに撮影したかったのですが、遠くにチョコンとしか・・・。せめてレンズは標準ズームにすべきでした。ただそうすると室堂平に降りて立山三山を撮影するのに不便だしな、と思っていると隣のカメラおじさんがレンズ交換し望遠レンズに付け替えていました。やはり「荷物が嵩張る」「重くなる」と妥協してはいけません。それにしても、快晴すぎて雲ひとつ無く、のっぺりした写真でした。晴れた日を狙って来ているのでしかたありませんが、もう少しだけ雲がかかれば、良い絵になるんですがね。
13時10分に室堂山展望台を出発しました。向かうのは立山室堂山荘です。特に室堂山荘で何をする目的はないのですが、室堂山展望台からの本来の登山道が室堂山荘へ繋がっているので(一応、自然へのダメージが少なくなるように)、下りは可能な限り登山道の近くを歩いて降りようと思っただけです。ではありますが、ここの登山道は急斜面のため九十九折れとなっており、踏み跡を長靴だけでで降りる私が、雪の上をそんな真面目に降りられるわけも無く・・・。結局は、山スキーの人の邪魔になりながら、斜面を直滑降のようにズカズカ降りたのでした。
下山中は、向かい側の山(別山~真砂岳~立山三山)がよく見えるのですが、何故かやたらとヘリコプターが飛んでいました。あ~、セスナも飛んでいる、富山県消防防災ヘリコプター「とやま」飛んでいる、富山県警ヘリコプター「つるぎ」も来た・・・。何か、凄い事故があったんだな~と。11時頃に発生した真砂岳(大走りの西側斜面)での雪崩による遭難者の救出と報道関係のヘリコプターだったようです。
室堂山展望台の斜面から眺めた大日連山(写真:2013年11月23日撮影)
立山室堂山荘へは14時に到着。引き続き、みどりが池やみくりが池などのある室堂平の雪中散策へ行き、写真の撮り過ぎで時間を使い果たし、みくりが池温泉に入ることなく室堂ターミナルには15時30分頃に到着し、時刻表だと最終バスの16時の便で変える予定でしたが、増便されたバスで少しだけ早めに帰れました。乗車待ちの列の先頭だったので、バスの最前列に座ってアルペンルートを満喫しながらのバス旅となりました。
ページ先頭(立山周辺への登山:冬の室堂山展望台ハイキング)へもどる。
Copyright © 2006-2021 Ikomaike TAKAOKA. All Rights Reserved.