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八郎坂 登山コース


 八郎坂(はちろうざか)は、称名川が流れる標高1040メートルの八郎坂登山口から、立山アルペンルートの高原バス道路近くの標高1580メートに至る登山道です。標高差が440メートルあるため植生の変化が見られ、近くを流れ落ちる落差日本一の「称名滝」を様々な角度から眺められます。称名滝を眺められる登山道として有名な八郎坂ですが、もう1つ見所となっているものがあります。それは「ヒカリゴケ」です。八郎坂登山口から標高1300メートルくらいまでの登山道途中の岩場にある幾つもの小さな岩穴の中に富山県の天然記念物に指定されているヒカリゴケが自生し、緑色にほのかに光っています。
 この八郎坂は、急な断崖に造られた登山道であるため、積雪期は通行止めとなり、供用が始まるのは例年6月下旬頃(2014年は6月27日、2013年は7月1日)です。
 
八郎坂(写真:2014年7月12日10時8分 撮影)、「八郎坂」の石碑が建つ登山口
八郎坂
 

 
八郎坂地図
八郎坂地図
 
2014年7月12日 八郎坂登山記録(半日で、八郎坂を単純往復) -
 
 9時22分に駐車場(最大収容 250台)のある称名平に到着、第一駐車場は満車、隣の第二駐車場に車を停めて登山の準備、八郎坂の登山道にはトイレが無いので、第一駐車場横のトイレで用足しを忘れずに、今回は真面目に携帯トイレも持参しました。
 出発は9時44分、駐車場を出てすぐの場所・右手に中部山岳国立公園 称名平休憩所があります。この休憩所前に立山駅からの称名滝探勝バスのバス停があります。休憩所内には称名滝の資料展示室もあります。称名平休憩所を過ぎて3分くらいブラブラ歩いて9時47分にレストハウス称名です。出発したばかりなのでここは素通りです。帰りには、食事やお土産を購入したら良いです。レストハウス称名から向こうの山(というか崖)を見ると称名滝が見えます(ただし午前中のため逆光でした)。レストハウスからちょっと歩いて9時48分に称名滝探勝路の入口です。ここより歩行者専用道路です。
駐車場
駐車場 9時44分
中部山岳国立公園 称名平休憩所
中部山岳国立公園 称名平休憩所
レストハウス称名
レストハウス称名 9時47分
称名滝探勝路の入口
称名滝探勝路の入口 9時48分
 称名滝探勝路に入り、右下を流れる称名川の砂防堰堤を見たり、右手の500メートル近い断崖を眺め、八郎坂ってこんな崖を登るのだと「ワクワク」しながら歩きます。途中には、複数個所の崖崩れ防止の工事等が行われ、こんな山の中で交通誘導員のおじさんが立っておられました。「岩が落ちてくる危険があるから、谷側を歩いて下さい」なんて怖ろしいことを仰っていました。ちなみに、工事は今年だけではなく何時もやってます・・・。9時56分に大日岳登山口を通過し(探勝路は登山口の前を通るだけですが、折角なので10メートルほど奥へ進みました)、称名滝探勝路から分岐し、八郎坂登山口手前にある飛竜橋に到着したのは10時1分でした。
大日岳登山口
大日岳登山口 9時56分
飛竜橋
飛竜橋 10時1分
 
 写真をパシャパシャ撮っていたら時間がかかり、八郎坂登山口への到着は10時4分になりました(駐車場から20分)。飛竜橋を渡ったすぐの場所に登山口があります。この場所で標高 1040メートルとなります。ここには石碑が2つ(私に読めない石碑と「八郎坂」と大書きされた石碑)と「八郎坂利用上の注意」「八郎坂コース案内」の2つの案内板があります。
読めそうで読めない石碑
読めそうで読めない石碑
「八郎坂」石碑
「八郎坂」石碑
 10時8分に八郎坂登山口を出発。駐車場からの称名滝探勝路のようなラクな道はもうありません。標高差500メートル近い崖を登っていきます。ここら辺の崖は称名滝の水しぶきの影響かコケが多く生えています。登山道の岩石も例外ではなく、苔むした場所がり、雨やその後には滑りやすくなるので非常に危険です。
登山道を入ると、簡易アスファルト舗装の道なのですが経年劣化でヒビ割れていまし、所々に岩が顔を出しているので、油断するとつまずきそうな道です。まぁ最初は楽だな・・・、甘く考えているとスグに九十九折れの登山道が始まり、岩石道を歩き、途中に段差の大きな岩がありよじ登っていきます。登山口から登り始めて約10分の標高 約1110メートル地点で称名滝が見えました、ただし最上部の「一段目の滝」だけです。
 
称名滝 一段目の滝(写真:2014年7月12日10時19分撮影)、標高 約1110メートル地点
称名滝 一段目の滝
 
 10時22分に標高 1150m地点に到着(八郎坂登山口から約15分)です。この場所から、称名滝の一段目の滝と二段目の滝が完全に見え、三段目の滝の上部を眺められます。現在は展望台とは呼ばれていないようですが、朽ち果てた木製ベンチらしきものがあり、八郎坂登山口の案内板にはこの場所を消した跡があります。
 
標高 1150m地点から眺めた称名滝(写真:2014年7月12日10時24分撮影)
標高 1150m地点から眺めた称名滝
 
 簡易アスファルト舗装は標高 1150m地点までで、それより上は完全な登山道の岩石道となります。足も漸く慣れてきたので、キョロキョロしながら岩間の穴を覗いてヒカリゴケを探しました。先を行く二人連れの女性が穴を覗いているので、訪ねると「ヒカリゴケだよ」と教えてくださいました。その穴のヒカリゴケは少なかったのですが、肉眼では水滴かなとも思ったのですが、カメラでしっかり撮影すると、たしかに光っているようでした。正確には、コケ自体は発光しておらず、レンズ状細胞というのが外からの光を反射しているそうです。なのでカメラでフラッシュを焚くとガンガン光ります。
標高 1150m地点を過ぎると、称名滝がよく見えるようになり、次のコースポイントである第一展望台までの登山道の息抜きになります。
ヒカリゴケ
ヒカリゴケ
標高 約1260m地点から見た称名滝
標高 約1260m地点から見た称名滝
 第一展望台へは10時50分に到着(八郎坂登山口から42分)しました。まさに展望台で雄大な称名滝を眺められます。称名滝の右側にあるハンノキ滝も見え、V字の滝になっています。この展望台の場所にはベンチが2つあり、小休止に最適です。「第一展望台」と書かれた朽ちかけた案内柱の側面には「標高 1270m」と書かれていました。
第一展望台から眺めた称名滝
第一展望台から眺めた称名滝 10時52分
第一展望台
第一展望台(称名滝展望台)
 
滝を堪能し、10時54分に第一展望台を出発。少し歩いて、折り返して登り、振り返ります。ここは絶景!八郎坂で称名滝が一番良く見える場所です。滝壺も少しだけですが見えます。
 
第一展望台近くの称名滝絶景ポイント(写真:2014年7月12日11時2分撮影)
第一展望台近くの称名滝絶景ポイント
 
 2008年7月2日に八郎坂の途中(第一展望台)まで来て称名滝を見たのですが、ここより先へ登りませんでした。後になって、第二展望台がある事を知り、いつかは行きたいと考えながら今回に至っているので、かなり期待です。第一展望台でこれだけの絶景なので、もっと標高の高い場所から見下ろす称名滝はどんな姿をみせてくれるでしょうか。と胸を膨らませ、胸突き八丁を元気に登りました。途中、ヒカリゴケのゴージャスな奴を見て嬉しくなり、足取り軽やかに進みました。
蛍光塗料を撒いたように光るヒカリゴケ
蛍光塗料を撒いたように光るヒカリゴケ
標高 約1370m地点から眺めた称名滝
標高 約1370m地点から眺めた称名滝 11時21分
 
 第二展望台に到着したのは11時27分(八郎坂登山口から1時間19分、第一展望台から33分)です。展望台の案内柱には「標高 1410m」とありましたが、地図で確認すると標高 1390メートル(1385メートル?)のような気がします。正直に書きます、第二展望台は期待ハズレでした。八郎坂を登って、弘法や弥陀ヶ原へ行くのならばここまで登ってくる価値はありますが(というか、来ないと先へ行けない)、私のように称名滝を見るだけが目的なら、先ほどの第一展望台だけでも問題ありません。まぁ、来て見ないと判らないので、来た価値はあったと思いますが・・・。
 展望台にあるベンチに座って称名滝を眺めようとすると、悪い冗談か?、目の前に大きな杉が立っています。多分、立山杉なのでしょうが、この場にはいりません。首をチョット曲げると太い幹の横に称名滝が見えましたが、他の樹木の枝や葉っぱがかなり邪魔です。と言うことで、ベンチからの展望は諦め、第二展望台から10メートルほど上ります。急な崖に登山道がつけられ、崩落しないように谷側をコンクリートで固めてあります。ちょっとした展望廊下ぽい造りで、こちらの方が展望台らしい眺めです。
第二展望台
第二展望台(称名滝展望台)
第二展望台ベンチから眺めた称名滝
第二展望台ベンチから眺めた称名滝
 
第二展望台近くの展望廊下から眺めた称名滝(写真:2014年7月12日11時28分撮影)
第二展望台近くの展望廊下から眺めた称名滝
 
 第二展望台まで登って、充分満足したら、そのまま下って、3時からの「称名滝に虹」の撮影に備えようと考えていたのですが、やや消化不良のため、八郎坂を登り切ることにしました。
 地図によれば、八郎坂登山口から第二展望台までの標高 1040mから1400mは九十九折れの坂道を登り、第二展望台以降は、標高 1400mから1500mの山腹を横切るように進み(つまりナダラカな登り、歩行距離にして約570メートル)、最後に崖のような場所を登れば、八郎坂コースが終了し、弘法/美女平/八郎坂の分岐点(標高 1560m)となります。
 第二展望台を11時29分に出発しました。もうお昼の時間に近く、お腹が空いてきましたが、我慢して上まで行くことにしました。なので、足元がふらつき始めました。直下は崖になっているので危険です。地図だと、楽そうな山腹コースなのですが、ナカナカ・・・。展望台を出てスグに登山道に大きな岩があり、トラ縄に「キケン」の赤旗とか、今まで登り一辺倒だった登山道が、少しでありますが一寸下って登りなど起伏に富んでいました。時おり樹間から称名滝が見えるのですが、標高が上がるにつれて地形(崖)の起伏の関係で全体が見えなくなり、最後の方で見えるのは一段目の滝だけとなっていきます。その代わりでもないですが、標高を上げるに従い、大日岳の眺望が良くなっていきます。
登山道に大岩
登山道に大岩 11時30分
標高 約1410m地点から眺めた称名滝 11時34分
標高 約1410m地点から眺めた称名滝
称名滝と大日岳
称名滝と大日岳 11時40分
でかい葉っぱ
でかい葉っぱ
 山腹の横切り道も終わり、崖を上ります。かなり急ですが、ジグザグ登山道で、たまに大きな段差の岩場です。丸木で造った階段もあり、道が乾いていれば、急坂のわりに登り下りは容易です。ただし濡れていれば要注意ですし、疲れて膝ガクガク状態だと乾いていても慎重な足運びが必要です。一応は称名滝が見えますが、三段目の滝が見えるだけです。
丸太の階段坂
丸太の階段坂 11時57分
大日岳
大日岳 12時00分
 最後の急な崖を登ると、アルペンルートの車道に出るのかと思っていましたが、そうではありませんでした(まぁ、地図を良く見れば、そんな道にはなっていませんでした)。崖を上って、チョイチョイと曲がり緩やかな登りで、樹林のトンネル道に入ります。すぐに弘法/美女平/八郎坂の分岐点(標高 1560m地点)があるのですが、私は見事に見過ごし(12時5分、八郎坂登山口から1時間57分、第二展望台から36分)、そのまま弘法方向へと進みました。分岐点には、左手に木製の案内図があり、近くには富山県動物生態研究会が設置したセンサーがありました。分岐点を通り過ごしたことも知らず、林間トンネルを気持ちよく歩いていると、右手に広場のような休憩所のような場所(12時6分到着)がありました。朽ち果てたベンチのような丸太がいくつもあり、木に覆われるように案内板が埋もれていました。案内板には地図もあり、どうやら現在地は、分岐点とアルペンルートの道路沿いにある八郎坂下山口の中間地点のようです。しかし、この場所は北も南も樹林で、時折近くを通過する高原バスのエンジン音が聞こえる程度で、何故に休憩ポイントなのかとじっくり観察すると、南側(アルペンルートの車道側)の樹林の枝の向こう遥かに薬師岳が見えました。なのでここを私の中では「薬師岳展望休憩所」と命名。かなり、お腹がペコペコなのですが、朽ち果てたベンチに座る気分ではなく、引き返して分岐点を探し、分岐点でオニギリを食べることしました。ちなみに国土地理院の地図によれば、弘法/美女平/八郎坂の分岐点(標高 1560m)から八郎坂下山口(標高 1580m)までは歩行距離にして約160メートル、弘法/美女平/八郎坂の分岐点から大観台(標高 1466m)までは歩行距離にして約840メートルです。
朽ち果てベンチの休憩所
朽ち果てベンチの休憩所
樹間に薬師岳
樹間に薬師岳
 そして、休憩所を後にして、今度は見落とさないよう慎重に歩き(約1分)、12時10分に分岐点を発見しました。私は、八郎坂の崖を登りきって、稜線みたいな場所に出ると、左に弥陀ヶ原/弘法、右に美女平/大観台、といった感じの分岐道になると想像していました。実際には、八郎坂の崖を登り切り、真っ直ぐ進むと、そのまま弥陀ヶ原/弘法への登山道となっており、途中で「右に曲がり軽く藪漕ぎする登山道」があり、それが美女平/大観台への道でした。分岐点から大観台までは往復1時間程度なので、行ってみようかと一瞬考えましたが、今日は手袋を忘れてきたので藪漕ぎ出来ないのでやめとしました。余計なことをしていては、3時以降と予想される本日のメイン撮影である「称名滝に虹」に間に合いません。動物センサーの前に立ってオニギリとキュウリの糠漬けを食べ、分岐道を調べ、ウロウロしたり、センサーじろじろ観察したので、7月12日の動物カウンターが激増したかもしれません、ゴメンなさい・・・。
最初は見落とした分岐の案内図
最初は見落とした分岐の案内図
富山県動物生態研究会の動物センサー
富山県動物生態研究会の動物センサー
 
 12時25分頃に分岐点を出発し、来た道を引き返します。午前中に登りながら称名滝を撮影しまくったのですが、下りでも撮影は続けます。称名滝は東を背にしているため、午前は逆光気味となるのですが、午後から順光となります。つまり、午前と午後では全く違った写真になります。って、今回のように2時間から3時間の違いでは劇的には変化しないですが。体力不足気味のため、下りはじめの急な崖は足に堪えます。トラ縄が張ってあったので、それを握って降りていたのですが、バランスを崩して、「あっ~と言いながら」、トラ縄があるから大丈夫と心の中で思ったのですが、山側トラ縄の支点間隔が長く、延びる伸びる1メートル以上も・・・、結果、ゴロンと谷側に崩れ、谷側に張ってあった転落防止のトラ縄を握り、崖下への転落を免れました。登山道に僅かに足を残していますが、仰向けで頭を谷底にして、ゴロン状態、体勢がヘンですぐに起き上がれないし、人に見られたら恥ずかしいシーン(まぁ、他に人がいれば、助け起こして欲しいような場面)でした。と言うことで、トラ縄を過信してはいけませんという教訓です。
標高 約1430m地点からの称名滝
約1430m地点からの称名滝 12時56分
第二展望台近くからの称名滝
第二展望台近くからの称名滝 13時2分
 13時4分に第二展望台を通過(分岐点から39分)、第一展望台に到着したのは13時32分(分岐点から1時間7分、第二展望台から28分)です。第一展望台近くの称名滝絶景ポイントから滝を眺めると、最下部の滝壺に薄っすらと虹が見えました。滝壺に虹が出るのは3時頃と聞いていましたが、太陽高度が季節によって変わるのと、八郎坂の標高のある場所から見下ろしている関係で、13時30分頃でも虹が見られるようです。
 
第一展望台近くの絶景ポイントから見た虹のかかった称名滝(写真:2014年7月12日13時30分撮影)
第一展望台近くの絶景ポイントから見た虹のかかった称名滝
 
薄っすらと虹のかかった称名滝(写真:2014年7月12日13時30分撮影)、私のいる場所と太陽の場所がずれているので薄い虹です。
薄っすらと虹のかかった称名滝
 
 既に虹が出ているようなので、急いで下山します。八郎坂登山口は14時5分に通過(分岐点から1時間40分、第一展望台から33分)。称名平の駐車場へは14時30分に到着。
 

 
称名滝
虹と称名滝紅葉の称名滝八郎坂悪城の壁称名平駐車場レストハウス称名中部山岳国立公園 称名平休憩所称名平園地
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