いこまいけ高岡 / 奈良編
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キトラ古墳


 キトラ古墳(きとら こふん)は、高松塚古墳に続いて、石槨内に壁画が確認され古墳です。高松塚古墳やマルコ山古墳と同じ7世紀後半の終末期古墳です。2000年(平成12年)7月31日に国の史跡、同年11月24日には特別史跡に指定されました。
 墳丘とその周辺の発掘調査は1997年(平成9年)に行われ、直径約14メートル、高さ3メートルの二段築盛の古墳であることが判明しました。上段の直径は9.4メートル、高さは2.4メートルです。墳丘は、2センチメートルから3センチメートル単位での版築で積み上げられており、墳丘構築作業を行った際の杭跡と板の痕跡も確認されています。
 1998年(平成10年)に行われたキトラ古墳の内部探査は、超小型カメラによる石槨内の観察が行われました。その結果、横口式石室と壁面には四神、天井には天文図の壁画が確認されました。石槨は、凝灰岩切石を組み合わせたもので、北壁1枚、東西側壁各3枚、天井4枚と南壁および床面で構成されています。天井部はマルコ山古墳同様に、屋根型のくりこみがあります。石槨サイズは、幅約1メートル、奥行き約2.6メートル、高さ約1.3メートルです。
 北壁には亀に蛇が絡まる姿の玄武(げんぶ)の壁画が描かれていました。東壁には青龍(せいりゅう)の上顎と舌先が見られ、西壁には頭を北に向けた白虎(びゃっこ)、南壁には朱雀(すざく)が描かれていました。これらの四神図は、白虎の方向や線の太さが異なるものの高松塚古墳と類似した特徴があります。天井には、大きな三重の同心円(内規・赤道・外規)と天の赤道と交差する横道が描かれ、多くの星座も描かれています。この天文図は、中国・蘇州の孔子廟にある有名な淳祐天文図(13世紀)よりも更に500年ほど古く、現存する天文図としては世界最古のものとされています。
 発掘後に壁画の劣化が進み、壁画の保存・修理を目的として2004年8月より順次、壁画のはぎ取り作業が行われました。現在、キトラ古墳一体は国営飛鳥歴史公園の一部として公園化整備が進められています。
 
キトラ古墳(写真:2009年10月25日撮影)、中央の建物は「キトラ古墳 仮設保護覆屋」
キトラ古墳
 
キトラ古墳 地図(Map of Kitora-kofun Tomb)
 
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場所:奈良県高市郡明日香村阿部山
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キトラ古墳の壁画(現地説明板より)
玄武
玄武
白虎
白虎
 

 
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