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室生寺 五重塔


 五重塔(ごじゅうのとう)は、平安時代初期の西暦800年頃に建立された木造の五重塔で、高さは16.1メートル、初重は1辺の長さ2.5メートルの小型の塔であり、国宝に指定されています。
 屋外にある木造五重塔としては、法隆寺西院伽藍にある五重塔(飛鳥時代の建立)に次いで2番目に古く、国宝・重要文化財指定の木造五重塔で屋外にあるものとしては日本最小となっています。この高さは興福寺五重塔(高さ 50.8メートル)の3分の1弱、日本最大の木造五重塔である京都にある東寺五重塔(高さ 54.8メートル)に対しては3割弱の高さしかありません。小さな塔であるため「弘法大師一夜造りの塔」の伝説があります。
 通常の五重塔は、初重から1番上の5重目へ向けて屋根(軒)の出が次第に少なくなる逓減ですが、この室生寺の五重塔は屋根の逓減率が低く、1重目と5重目の屋根の大きさがあまり変わらないのが大きな特徴とされています。その他に、全体に屋根の出が深く厚みがあり、屋根勾配が緩いことや小規模な塔の割に太い柱を使用していることなどが特色です。これらの特色は、石段の下から塔を見上げた時に優美な姿になるよう視覚的効果を考えたものとされています。通常塔では、最上部の九輪(相輪)の上に「水煙(すいえん)」と呼ばれる飾りが付いていますが、この塔では水煙の代わりに「宝瓶(ほうびょう)」と称されている壷状の装飾が乗せられており、寺伝では創建にかかわった僧侶の修円がこの宝瓶に室生の竜神を封じ込めたとされています。
 五重塔は、1998年(平成10年)9月22日に台風7号の強風で五重塔のそばに生えていた高さ約50メートルの杉が倒れ、屋根を直撃し、西北側の各重部の屋根・軒が折れて垂れ下がる大被害を受けました。しかし、中心柱を含め塔の根幹部は損傷せずに済み(国宝指定を維持)、1999年(平成11年)から2000年(平成12年)にかけて修復工事が行われました。修理に際し奈良文化財研究所によって調査が実施され、塔の部材を年輪年代測定法で調査したところ794年頃に伐採されたものであることが判明し、また屋根部分は建立当初には檜皮葺きではなく板葺きであったことも判明しました。
 
室生寺 五重塔(写真:2011年11月7日撮影)
室生寺 五重塔
 
五重塔地図(Map of Gorintō (Five-ringed tower), Muro-ji Temple, Nara, Japan)
 
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室生寺の五重塔と周辺にある見所
  1. 五重塔:国宝
  2. 修円僧都の廟
  3. 本堂(灌頂堂):国宝
  1. 桂昌院墓
  2. 五輪塔:国重文
  3. 金堂:国宝
  1. 納経塔:国重文、非公開
室生寺・五重塔の写真
九輪
九輪
(相輪)
檜皮葺屋根
檜皮葺屋根
お地蔵さんと五重塔
お地蔵さんと五重塔
全景
全景
高欄
高欄
 
サイト内で紹介している五重塔
奈良: 法隆寺 五重塔興福寺 五重塔室生寺 五重塔元興寺 五重小塔海龍王寺 五重小塔長谷寺 五重塔
京都: 東寺 五重塔醍醐寺 五重塔八坂の塔(法観寺 五重塔)、
 

 
室生寺の伽藍
表門仁王門鎧坂金堂弥勒堂本堂五重塔奥の院御影堂境内地図
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