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スンズラ、雪の大谷を上から眺め天狗平へ、そして再び室堂平へ 2014年4月25日
私の2014年の山スローガンである「毎月立山」の4月編です。今回のテーマは「雪の大谷を上から眺める」です。
4月や5月に立山黒部アルペンルートの高原バスに乗ると、室堂ターミナルの手前に「雪の大谷」と呼ばれる、ものすごく積雪の多い場所があり、春限定で雪の壁がそそり立つその車道を歩くことが出来ます。これが「雪の大谷ウォーク」です。で、雪の大谷を上から撮影した写真を見たことがあり、そんな写真をワシも撮ってみたいと、今回4月の立山へ向かいました。2014年のアルペンルート全線開通は4月16日、天候を見極めて、4月25日に行きました。さてさて、関係者でもない一個人が雪の大谷を上から見られるのでしょうか?と言うのは、16メートル近い積雪を除雪しているので、単純に考えて5階建てのビルに匹敵する雪の壁です。下手に近づくと、雪壁が崩落して・・・。
2006年4月18日の初「雪の大谷」から8年ぶりに、2014年4月25日に雪の大谷に行きました。2013年から2014年春にかけての冬は、関東では記録的な豪雪でしたが、ここ富山ではかなり雪の少ない過ごし易い冬でした。そんな訳で、雪の大谷の積雪量もそれなり・・・。ニュースでは「例年よりやや少ない程度の15メートルで結構ありますよ~」ってなことを言っていました。確かに「雪の大谷」で局地的にはたくさんの積雪ですが、立山黒部アルペンルートの立山高原バスの始発である美女平は積雪がかなり少なく、弥陀ヶ原まで来ても雪の壁が低かったです。まぁ、積雪が少ないと文句を垂れてもどうしようもありません。今回の目的は、「雪の大谷を上から撮る」「雪の大谷から綺麗な青空を撮る」です。訪れたのは2014年4月25日です。当日は、前日からの晴天が続き、前夜も晴れ渡り気温が低下する放射冷却現象となったので、雪面はがちがちに凍りついていました(ワシの生息する富山県西部で言うところの「スンズラ」状態)。
スンズラ、雪の大谷を上から眺め天狗平へ、そして再び室堂平へ(写真:2014年4月25日9時03分撮影)
室堂平から天狗平地図、今回のハイキングで実際に歩いたルートです。
スンズラ、雪の大谷を上から眺め天狗平へ、そして再び室堂平へでのルート上のポイント
2014年4月25日 スンズラ、雪の大谷を上から眺め天狗平へ、そして再び室堂平へ 登山記録 始まり・・・
まず第一目的の「雪の大谷を上から」の写真を撮るために室堂ターミナルを8時40分に出発しました。
朝の室堂平、快晴です。(写真:2014年4月25日8時46分撮影)
何処が撮影場所になるか詳しい情報がなかったのですが、雪の大谷を上から撮影するためには、室堂山から国見岳の斜面へ行く必要があるはずです。雪の斜面を登ることを覚悟して、カンジキとアイゼンを持参しました。当日は前述のごとく雪の表面は凍りついていたので、カンジキの必要が無く、滑らないようにアイゼンを装着しました。室堂ターミナルを出て、立山三山(台形の山)を眺め、富山県立山センターの建物を回りこむように歩き、8時50分に国見岳へと続く斜面を登り始めました。傾斜があり、雪面がガチガチで滑り落ちないように踏ん張りながら歩くのは、かなりきつかったです。暫く歩くとアルペンルートの車道が溝のように見えてきました。ちょっと遠景過ぎて写真的にイマイチだな~と・・・、よく見ると車道の溝から20メートル?くらい離れたところに雪上車で均した道が室堂ターミナルから天狗平方向へ向かって、その道の両側に縄が張ってありました。スノーボードを担いだ人が歩いているので、国見岳へのアクセスに使えるようでした。つまり、私みたいに無理して斜面を歩かなくても、この車道沿いの道を行けば、雪の大谷を上から写真をラクに撮影出来たのでした・・・。ちなみにこの道は警告板によれば「管理用小段」と呼ばれ、山スキーやスノーボードの滑走区域と雪の大谷を隔てる警戒区域です。この道を歩くのは問題ありませんが、縄を越えて雪の大谷側に入り込むのは非常に危険です。なんたって高さ15メートルの雪の壁が直ぐそこにアルのですから、もしも落ちたら即死だし、雪の塊を落とすと雪の大谷ウォークを楽しんでいる観光客にドスン、これも命の危険になります。なので、どんなに臨場感ある「雪の大谷」写真を撮りたくても、縄の所でパチリで我慢しましょう。
上から眺めた雪の大谷と山々
ストックの向こうに雪の大谷
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雪の大谷と大日連山
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毛勝山
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剱岳
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ホテル立山と室堂ターミナル
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雪の大谷とホテル立山
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雪の大谷付近から眺めた立山と浄土山(写真:2014年4月25日9時11分撮影)
テクテクとここまで歩くと、東側にはあの剱岳が見えてきます。すぐに雪の大谷の車道に降りたいような気もしますが、無理です。私が歩いてきた場所は、観光客がこない場所で、いわば断崖の上、車道へ降りる階段なぞは造ってありません。素直に来た道を室堂ターミナルへ戻るの早道です。私は時間があるので、このまま撮影を続けながら、天狗平まで下りました、すぐです。この辺の場所は、登山道ではないので夏は歩けないため、この時期だけのアングルで写真を撮れます(まぁ、4月と5月は室堂一帯でハイマツを踏み荒らさない限り制限区域以外であればどの場所でも撮り放題)。ほぼ雪の大谷の最高地点の場所(上の写真)から30分で天狗平山荘です。9時35分に天狗山の直下を通過しました。
9時45分に天狗平山荘に到着しました。室堂ターミナルから1時間ほど歩いて来たので、汗を掻き、喉が渇きました。天狗平山荘の受付で、「お酒ありますか?」って聞くとあるとのことで、「立山?」って聞くとそうだったので、ニコニコしてお酒を購入、笑われちゃいました・・・。富山の銘酒「立山」を飲ん(1合 600円)で一休み、朝からウィ~。お酒を飲んで、山小屋のおじさんとお喋りしてビックリ、おじさんはワシと同じ南砺市福野出身でした。「もうすぐ、夜高祭り」だねって話で盛り上がりました。
天狗平山荘
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天狗平山荘裏から見た鍬崎山
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多少、酔っ払いながらも、10時25分に天狗平山荘を出発しました。天狗平山荘を出てすぐに立山アルペンルートの車道を渡ります。ここにはバス停があり、除雪車を置くスペースがあります。このスペースの場所から天狗平へ入ることが出来ます(夏場だと登山道があります)。天狗平は、室堂へ向かってなだらかに登りとなっていますが、一面の雪原で何処でも歩けます。ただし、北側は崖になっているので行き過ぎると危険です。夏道だとここへは来られないよな~と考えながら、北側のギリギリの場所まで行きソーメン滝をパチリと撮影(後でGPSログと地図を重ねると、だいぶ崖っぷちへ行ってました、危険だったのね)、あんまりフラフラ歩くと疲れるのですが、あそこまで行って剱をパチリ、あ~立山三山パチリなどをやたらシャッターをキリながら室堂へ向かって歩きます。緩やかな登りなのですが、夏の登山道と違い、右へ行ったり左へ行ったり出来るのが楽しく、無駄に歩きそれなりに疲れました。
立山高原ホテルを掘り出す
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天狗平から見た春のソーメン滝
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天狗平から眺めた剱岳
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天狗平から眺めた立山
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天狗平から眺めた浄土山
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天狗平から眺めた大日連山
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ようやく、11時51分に雪の大谷の車道の終点?近くに造られた「パノラマ広場」に来ました。普通の観光客の人は、室堂ターミナルから車道を歩き、雪の大谷で雪の壁を堪能し、このパノラマ広場へ到り、大日連山、剱岳、別山、真砂岳、立山三山、浄土山などのパノラマを堪能します。その後は、再び車道を引き返すか、「パノラマロード」と名付けられた雪道を歩いて帰ります。
室堂ターミナルを出発し3時間にして雪の大谷の核心部に到着です。本日第2目的「雪の大谷から綺麗な青空を撮る」にチャレンジです。嫌になるくらいの快晴で雲がありません。のっぺりした青空と白いだけの雪の壁を撮影することになりました。
雪の大谷(写真:2014年4月25日12時12分撮影)、広角レンズが必要でした・・・。
雪の大谷での撮影を楽しみ、再びパノラマ広場へ戻りました。オニギリを食べ昼休憩し、12時25分にパノラマ広場を出発し、パノラマロードを歩き室堂ターミナルへ向かいました。パノラマロードの名前の通り、美しい山の稜線と雪原は絶景です。テクテク歩き、パシャパシャと写真撮りながら、13時05分に室堂ターミナルへ戻って来ました。
午後の行動は、室堂平です。運がよければ雷鳥を見られます。結論を先に書くと、残念ながら雷鳥には逢えませんでした。まず、室堂ターミナルから東へ歩き、国指定重要文化財 立山室堂(室堂山荘)を見に行きました。13時23分に室堂山荘の所へ到着、建物はスッポリ雪に埋もれており、屋根の最上部の棟が出ているだけでした。例年の埋もれ具合は知りませんが、今年は雪が少ないので、普通ならこの時期は屋根の棟も見えないことでしょう。なお、近づき過ぎて雪を踏み抜かないように周辺にはロープが張られ、建物周辺は進入禁止となっています。室堂山荘裏から眺める立山は雄大です。ドォ~ンと目の前に台形の形をした立山が迫ってきます。写真撮影なら、35mm換算で24mmより広角がお勧め、16mmくらいが丁度良い画角です。
国指定重要文化財 立山室堂
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現代の室堂山荘、除雪中
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室堂山荘から眺めた立山
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室堂山荘から眺めた浄土山
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夏場は歩けない場所を歩きたかったので、室堂山荘の後ろへ回りこみ、みどりが池を目指して 13時32分に室堂山荘を出発、13時40分にみどりが池の定点撮影ポイントと思われる場所に到着。みどりが池は完全に雪に覆われ、何処に池があるか判らない状態、パッと見た感じ雪原でした。記憶にある「立山と浄土山の稜線とみどりが池」を思い出し、かつタブレット端末(Google NEXUS7)を取り出し地図ロイドで確認しました。GPSの精度って10メートルくらいは平気で狂うので・・・、この辺がみどりが池の端っこかなって場所で写真をパチリと撮りました。
みどりが池(写真:2014年4月25日13時47分撮影)、早春のみどりが池、どこでしょう?
13時55分にみどりが池を出発、とりあえず、みくりが池方向(西側)へ歩きます。みくりが池と血の池との間の尾根(夏道と同じルート)を歩きます。北側を眺めると、雷鳥坂の斜面は雪に覆われたて真っ白になっており、青空とマッチして綺麗です。らいちょう温泉 雷鳥荘の下の斜面は、地獄谷から吹きつける火山性ガスの硫黄成分で雪が黄色くなっており不気味・・・。所々に黒い場所があるのは、早くも雪から顔を出したハイマツの群落のようです。春先はこのような場所に、雷鳥が餌を求めて集まるらしいです。と、通りかかったお兄さんに教えてもらいました。お兄さんは、この春2回目の室堂との事で「じゃ富山の人ですか?」と聞くと、大阪からワザワザ雷鳥撮影のために来たそうな、好きね~、カメラもキヤノンの5DIII だし。ということで、雷鳥兄さんと、血の池とりんどう池の間にある「雷鳥の居そうなハイマツ」の場所までゴーとなりました。
いざ、雷鳥の居そうなハイマツへ(写真:2014年4月25日13時57分撮影)
雪があるので、夏道を外れてショートカットし、雷鳥の居そうなハイマツの場所へ駆け足で行き、14時09分に到着、結局雷鳥は見られませんでした。大砲おじさんが雷鳥を探しているだけ~。雷鳥兄さんや大砲おじさんは雷鳥を追いかけているだけに、色々な情報を教えてくださいました、感謝、ありがとうございました。と言うことで、以後雪のある季節に室堂へ来る時(特に雷鳥目的)はこの場所が定点ポイントになりました。雷鳥は見られなかったけど、有名な奥大日岳の雪庇(せっぴ)や、雄山山頂の峰本社(これは何時でも見られるけど)などを見たので満足。
奥大日岳の雪庇
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雄山山頂の峰本社
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帰る時間が迫っているので30分ほどネバッタけど雷鳥さんは諦めて、14時43分にこの場所から撤収。来た道を戻り、14時57分にエンマ台展望台に到着、大日連山とモクモク火山ガスを噴出す地獄谷を見物、地獄谷は2014年も元気なようで、クサいです。
エンマ台展望台から眺めた大日連山と地獄谷(写真:2014年4月25日14時56分撮影)
15時03分にみくりが池温泉に到着、温泉に入る時間も無く、テラスから地獄谷と大日連山を眺めて、隣にある次の目的地であるみくりが池へ向かいました。下って30秒くらいです。みくりが池は周囲が崖なので、湖面が結氷し雪が積もっても、池の輪郭が歴然としており、いい写真になりますね。下の写真は、パノラマ合成しています。一眼レフでも24mm位の画角のレンズだと立山だけしか入りません。わしの経験的には、16mmより広角を使わないと、「みくりが池+立山+浄土山」のいわゆる立山写真になりません。
みくりが池(写真:2014年4月25日15時06分撮影)
最終の1本前のバスに乗りたいので、ソロソロ焦り出しました。みくりが池の西側にあるみくりが池展望所を15時12分の出発し、みくりが池南側の「雷鳥坂+ちょっぴり剱岳とみくりが池」ポイントに15時14分から2分間撮影し、一路、室堂ターミナルへ急ぐ。サクッと行けばいいのですが、大日連山が綺麗だし、天狗平と富山平野ってアングルも素敵だし・・・。パチリぱちり、とテイクフォト。そして、15時32分に室堂ターミナルに到着しまし、予定通り 16時20分の美女平行きのバスに乗れました。本日の行動時間 7時間、寒い中ご苦労様でした。
おしまい、長い駄文を読んでいただき、ありがとうございました。
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