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立山
やせ仏
富山県南東部を中心に法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)像が分布しています。京都や奈良などで見られる通常の法蔵菩薩像の像容は、ラ螺髪(らほつ)を大きく堪え(長い間、思惟されたので髪が伸びた)、肉付きが良く、幼子のような体躯(小太り)となっています。ところが、富山県で見られる法蔵菩薩像は、京都のそれと異なり、エキゾチックな見た目、ガンダーラーの苦行釈迦像のように下腹部がへこみ、あばら骨がくいこみ、やせ細った、いかにも苦行のやせ仏の姿です。頭には螺髪と肉髻(にくけい)があり如来像であることが判ります。
富山ではこの「やせ仏」を「法蔵菩薩」と認知されています。やせ仏は像容としては苦行釈迦像ですが、信仰としては、阿弥陀如来の前身である法蔵菩薩の五却思惟像(五劫思惟阿弥陀仏)です。「五却思惟(ごこうしゆい)」とは、法蔵菩薩が五劫(仏教において非常に長い時間を表す言葉)という長久の時間、思惟して、浄土やその浄土を荘厳する清浄な行を選取したことをいいます。
識者の調査によれば、富山市に 16体(うち3体は木造)、立山町に 4体、上市町に 1体、黒部市に 1体の合計 22体が確認されています。造立年代は明治時代後半(最古は明治38年)から昭和時代後半(最新は昭和53年)とされています。
やせ仏(写真:2025年7月15日 14時12分撮影)、これは「富山市上滝大川寺口にあるやせ仏」です。
富山のやせ仏(法蔵菩薩)
富山市上滝大川寺口のやせ仏 地図(Google Map)
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