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伯陽 仙人


 伯陽(はくよう、魏伯陽)または獅子仙人は、中国三国時代の呉の人とされる仙人です。元は身分の高い家柄の子でしたが、道術を愛好し、仙薬の研究にのめり込みました。ある時弟子三人と入山して神丹を作りました。仙薬は完成しましたが、弟子達の心構えを試そうと、「犬が飲んで飛ぶようなら人間も飲んでよかろう」とまず犬に食べさせたところ犬は即死しました。伯陽は「仙薬を作るのにひたすら完成を念じてきた。完成はしたものの犬がそれを飲んで死んでしまった。自分も飲めば死ぬであろう。どうしたらよいだろう」弟子達が「先生は飲むつもりですか」と尋ねると伯陽は答えた。「わしは世に背き家を捨て山に籠もった。道が会得出来ずと云って再び戻るは生き恥をさらす事じゃ。死ぬも生きるもわしは仙薬を飲んでみるつもりだ」と言って仙薬を口に入れると伯陽も即死してしまいました。弟子達は顔を見合わせ「仙薬を作って長生きを願ったのに即死するとはどうした事だろう」と云いあった。弟子の一人の虞生が「先生は非凡な方だ。飲んで死なれたにも何か考えあっての事だ」と云って自分も飲んで彼もまた死んでしまいました。残った弟子の二人はこれを見て「仙薬を飲まなくとも後数十年は生きておられるはずだから」と話しあって亡くなった二人の棺を用意するために山を降りました。二人の弟子が去るや伯陽は起きあがり、仙薬を口から吐き出し虞生と犬に与えると虞生も犬も生きかえり仙術を会得し、伯陽と虞生と犬(獅子)は仙人となり天に昇りました。あとの二人はこれを聞いて深く後悔したと伝えられています。
 
八尾曳山 下新町 大彫
伯陽
 

 
中国の仙人
張果老呂洞賓李鉄拐馬師皇蝦蟇仙人伯陽郝大通菊慈童琴高黄安黄石公黄初平王子喬林霊素劉晨・阮肇西王母沈羲・賈氏蕭史董奉張九哥伯牙
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