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立山縦走
秋の立山縦走 2013年9月29日
今回の山行きは、2つの写真撮影が主目的で、1つ目が「紅葉の立山」、2つ目が「剱岳の全景写真」です。室堂の紅葉は、通常 9月下旬から10月上旬と言われています。室堂山荘が運営している
ライブカメラで紅葉の状況をチェックしながら、週間天気予報を調べ、9月28日と29日に立山へ行く予定をたて、3日ほど前に電話で
みくりが池温泉に1泊の予約を入れました。
立山縦走をする場合、「一の越から雄山に登り別山を経て雷鳥坂を下る」反時計回りのルートと「雷鳥坂を登り別山を経て雄山へ行き一の越へ戻る」時計回りのルートがあります。時間的には同じような所要時間なのですが、雷鳥坂は標高差が約500メートルある急斜面のため、雷鳥坂を下ることになる一の越から雄山に登るルートの利用者が多いように思います。まぁ「立山縦走」なのでまずは「雄山でしょう!」という事になるのかもしれません。実際に私が2010年夏に立山縦走したときも雷鳥坂のシンドイ坂を登るのが嫌で最初に雄山へ行きました。そのときは別山へ着いた時には12時近くになっおり、ガスが出て剱岳を見ることは出来ませんでした。夏場は日が高くなると上昇気流でガスの発生が多く、10時過ぎには剱岳が見えなくなることが多いです。
と言うことで前置きが長くなりましたが、「剱岳の全景写真」を撮りに着たので、急坂ですが雷鳥坂を登ることとしました。結果的には、この日は(9月下旬で湿度が低く)ガスがかからず快晴で剱岳はもちろん北アルプス全山さらには富士山まで13時くらいまでクッキリ鮮やかに見えていました。
秋の立山縦走(写真:2013年9月29日撮影)、別山・南峰から眺めた真砂岳と立山三山
雷鳥坂から登り別山乗越を経て別山・雄山そして一の越から下山するコースの標準的な所要時間 7時間15分
コース概要:室堂ターミナル 2420m~(平地10分)~
みくりが池温泉 2410m~(下り15分)~雷鳥荘~(下り25分)~
雷鳥沢キャンプ場 2277m~(下り5分)~室堂平・別山乗越・奥大日岳への分岐点 2260m~(登り1時間50分)~別山乗越(
剱御前小舎)2754m~(やや登り25分)~
別山・剱御前・剣沢 分岐点 2822m~(やや登り10分)~
別山・南峰 2874m~(稜線10分)~別山・北峰 2880m~(稜線10分)~別山・南峰~(下り10分)~真砂岳・別山・別山乗越への分岐点 2792m~(やや登り45分)~
真砂岳 2861m~(稜線10分)~大走りへの分岐点 2860m~(やや下って登り25分)~
富士の折立 2999m~(稜線15分)~
大汝山 3015m~(稜線20分)~
雄山 3003m~(下り40分)~
一の越(一の越山荘)2700m~(下り15分)~
祓堂 2570m~(下り25分)~
室堂山荘~(平地10分)~室堂ターミナル
2013年9月29日 立山縦走 登山記録 始まり・・・、個人の日記みたいな文章なので忙しい人は読まないほうが懸命です。なお稀にタメになることが書いてあります。
室堂は北から南東にかけて高い山に囲まれているので日の出の時間が普通より遅めです。経験上朝焼けもそんなに綺麗ではありません。と言うことで朝日の写真は撮らないつもりで朝は5時半少し前に起きました(ベッドの相部屋で早い時間にゴソゴソも出来ず)。顔を洗って歯を磨き、窓から外を見ると、いい感じで朝焼け・・・。私が起きた時は皆さんベッドの中でしたが、部屋に戻ると皆さん起きていました。「朝日がきれい~」とか言いながらちょっと喋って出発です。食堂は6時からのため、前日におにぎりを作って貰いました。
みくりが池温泉を朝の6時に出発、みくりが池温泉から雷鳥沢キャンプ場までは、以前であれば地獄谷を通ることも出来ましたが2012年以降は火山ガス増加のため通行止めとなっており、りんどう池・雷鳥荘を通り雷鳥沢キャンプ場へのルートのみとなっています。多少遠回りになりますが、立山三山を眺めながら歩けるので気持ち良いです。ただし朝は逆光で良い写真が撮れませんでした。あいにく草紅葉は終わってしまっていますが、それなりに綺麗な紅葉となっていました。登山道の右手に「
血の池」、左手に「
りんどう池」を見下ろしながらU字型に曲がった先に
らいちょう温泉 雷鳥荘があります。ここはちょっとした休憩場所になっており、立山三山・真砂岳・別山・別山乗越(剱御前小舎)・ちょっとだけ剱岳を眺めることが出来ます。
私はこの場所から景色を眺めるのが好きです。真下の雷鳥平にある
雷鳥沢キャンプ場は、9月下旬の寒い時期にもかかわらず(最低気温は5℃以下)多くのテントがありました・・・。夏ならいつも利用しているのですが、今回は寒いのでみくりが池温泉に泊まった私は軟弱でした。来年の秋に来ることがあれば、冬用のシュラフを買って、頑張ってテント泊にしようと思います。などと考えならが、コンパクトカメラでパシャパシャ写真を撮り、雷鳥荘から雷鳥沢キャンプ場まで一気に下ります、下りはホント楽です。この坂、かなり急でキャンプ場から室堂平まで戻る時はかなり嫌な坂です。雷鳥荘からの坂を下り、左手に
雷鳥沢ヒュッテを見て、少し進むと雷鳥沢キャンプ場に到着、6時38分でした。キャンプ場でおにぎりを食べる予定でしたが、寒いのでこのまま休憩せずに雷鳥坂へ突入することにしました。後で考えれば、大失敗でした。朝ごはんは、きちんと食べましょう。
キャンプ場のある場所は、「雷鳥平」が正式名称(たぶん)。何で雷鳥沢キャンプ場かは不明???、直ぐ横に沢があるからなんでしょうけれども、そもそもこの沢は、私としては「
浄土川(浄土沢)」という名前だと認識しています。まぁいいです、立山縦走路での最低地点がこの沢で、標高 約2260メートルです。川の流量が結構多いです。立派な橋が架けられています。高所恐怖症の人(私)はちょっと怖いかもしれません。橋を渡って、沢沿いを数分歩くと分岐点に到着します。真っ直ぐ行くと奥大日岳方面、右手に曲がって急坂へ進むと剱岳方面(
剱御前小舎のある別山乗越行き)の登山道です。
雷鳥坂と雷鳥沢キャンプ場(写真:2013年9月29日撮影)
雷鳥坂は、本日の最初にして最大の難所です。浄土沢(2260m)から別山乗越(2754m)までの標高差 約500メートルをひたすら一気に登ります。山地図によれば登り1時間50分です。夏に
剱岳へ行ったときは、この坂を60分で登ったのですが、今回は如何に?。楽勝ラクショウと朝飯も食わずにナメて登り始めました。雷鳥坂の下側1/3ほどの登山道は緩やかな坂でゴロ石が多い幅広の道です。次の1/3は小さい尾根を乗り越えてガレた場所を登っていきます。ナナカマドが茂っており、部分的に紅葉が綺麗でした。今年(2013年)の紅葉はそれほどでもりませんが、昨年(2012年)は全国的に美しい紅葉の当たり年で、この辺りの紅葉も非常に美しく「涸沢カール並の紅葉」だったと山雑誌に書かれていたようです。夏には競い合うように咲き誇っていた高山植物は、枯れ尾花となりつつも草紅葉~(ただし数日前の寒波により紅葉終了)。今年の夏は
コバイケイソウの群落がゴージャスに咲いていたんです、今は枯れ群落で茶色く変色した葉っぱと茎の群生で夏の繁茂を思い出させました。などと夏を思い消しながら登りつつ、ふと振り向けば絶景です。出発した室堂平を眼下にして、遠く見渡すと右から白山・薬師岳・・・(北アルプス南部の峰々)があり、立山三山と雷鳥坂の登りの疲れを癒してくれます。これが下りだと、ずっと眺めなら降りられるわけです、最高ですね。夏には1時間で登れたこの坂も、今回は2/3地点過ぎで既に1時間を経過、おまけに段々とペースが落ちていきました。なんで今日は遅いんだろう・・・と考えながら登りました。理由は簡単、ご飯を食べていない上に、夏に登った時よりも荷物が重いのです。カメラとレンズで+2kg、さらに寒さ対策で上着も余分にあります。とはいっても、ザックの重量は5kg程度のはず、基本的に体力不足です。今年の冬は、走り込みと筋トレですね!ようやく別山乗越に着いたのは8時9分(雷鳥坂での所要時間 1時間31分)です。朝ごはんのおにぎりを食べて30分休憩、休み過ぎですが、剣岳が~、美しすぎる!!!写真をパチリパチリ。
今回の山行きは、登山が目的ではなく、写真。剱岳の撮影です。立山縦走コースでは、ここ別山乗越から別山までの登山道沿いが剱岳の撮影スポットになります。別山乗越から見える剱岳は、左側に
剱御前の稜線が多少妨げとなり、剱全容とまではいえませんが、辛い雷鳥坂を登りきって目の前に見える剱岳に癒されます。おにぎりを食べていると、キャノンのデジタル一眼レフカメラを持った単独行の登山者が来られたので、声をかけました。聞けば立山縦走をされるとのことで、ご一緒させて頂くことにしました、ありがとうございました~。
別山乗越から30分ほど歩くと、剱岳の絶景ポイントです。別山乗越では剱御前の稜線によって、剱岳の左側(早月尾根)が見られませんでしたが、この場所からは剱岳の全体を眺めることが出来ます。ここから見えるのは、剱岳への別山尾根ルートと呼ばれる登山道です。晴れており、視力のいい人ならば頂上までの登山道をほぼ見ることが出来ます。
立山縦走の別山乗越から別山南峰への登山道から眺めた剱岳(写真:2013年9月29日9時07分撮影)
左手に剱岳の絶景を眺め、右手に立山三山・薬師岳・遠くに白山を見ながら登山道を進み、写真を撮りながら歩いたので別山乗越から
別山まで約1時間、怖ろしいほどのスローペースです。ようやく別山に着いて荷物を降ろします。別山と言っても、実際には南峰と北峰の2つの峰があります。別山乗越や真砂岳からの登山道で別山に来ると到着するのは祠のある南峰で、南峰から平らな稜線を10分ほど歩くと北峰があります。南峰から尾根として伸びる北峰まで行くと「剱岳展望所」の様な雰囲気で眺めが絶景です。
別山北峰から眺めた剱岳(写真:2013年9月29日9時52分撮影)、上と同じような写真ですが・・・雪渓が入るのがポイントです。
別山で剱岳の撮影を満喫し、今度は真砂岳へ向けて出発です。別山が2880m、真砂岳が2861mなので標高差が少なく、遠くから見るとなだらかな稜線歩きですが、間に軽い鞍部があり150メートル強のアップダウンとなっています。右手の景色は大日連山、左手には北アルプスの後立山連峰が綺麗に見えました。夏だとガスでよく見えないことが多いのですが今回は秋と言うこともありホントの展望最高でした。
真砂岳には11時5分に到着。稜線のためどこが真砂岳の山頂かよく判りませんが、ケルンがあるところで休憩。ここでも撮影タイム。別山南峰と北峰の稜線上の剱岳や立山三山などを撮りました。
真砂岳からの眺め(写真:2013年9月29日撮影)
別山南峰と北峰の稜線上の剱岳
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立山三山
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北アルプスの鹿島槍ヶ岳
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富士山
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真砂岳を後にして、大走りへの分岐で別山乗越から一緒だった人とお別れ。彼も立山縦走の予定でしたが、私に引きずられて?写真を撮りまくっていたら時間が無くなったため(温泉に入る時間が必要)、大走りから雷鳥沢キャンプ場へ下山となりました。「また、何処か出会いましょ~」などと適当なことを言って別れました。そんなんで再開したためしは無い・・・、と思っていたら帰りに室堂バスターミナルで再開しました!と言う訳で、大走りへの分岐点から単独行となり、気持ちのいい稜線をプラプラ歩き富士の折立の直下へ到着。急な岩場の登りを頑張って歩いて、剱岳と同じ標高 2999メートルの
富士の折立近くへ登りきりました(12時12分)。私この時まで、富士の折立って登れないのだと思ってました・・・。何年も夏の立山に通っているのですが、ガスの天気が多かったためか、登山者は皆、登山道に従って富士の折立を巻くように真砂岳へ降りて行くだけですし、そもそも山頂への登山道らしき踏み跡も無いのですが・・・。今回は晴れているためか、結構な人数の登山者が岩をよじ登って富士の折立の山頂部まで行っていました。小休止と例により写真をパチリとやり、12時20分に出発(富士の折立の山頂へは行っていません)。次は大汝山です。富山県の最高峰で標高 3015メートルです。「富士の折立と大汝山および雄山」がいわゆる立山三山で、室堂平から見ると台形の山であり、稜線は平にのようにも見えますが、実際はそんなことは無く、割とアップダウンがあり岩もあり、疲れた体にはそれなりに応えます。本日の目的「剱岳撮影」もほぼ終わり、6時間ほど行動しているので(歩いては止まり写真パシャは結構足腰に負担がかかります)もう惰性で進むだけです。
大汝休憩所の横を通り(12時29分)、ボッ~と歩いていたので、
大汝山への分岐を見逃しそのまま雄山への登山道を進み、途中で気付きましたが戻るのが面倒なのでそのまま雄山へ、12時53分に雄山の社務所前に到着。
雄山にて(写真:2013年9月29日撮影)
雄山神社 峰本社
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国内初の氷河認定「御前沢雪渓」
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剱岳
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龍王岳
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雄山では、500円の参拝料をケチって山頂へは登らずにひたすら写真を撮っていました。今年の夏に来た時は登山御守など幾つかのお守りを買って2000円ほど使い金欠になり山頂へいかなっかし、もう3年ほど山頂には立っていません・・・。
雄山を過ぎれば後は下るだけです。この雄山から一の越までは40分ほどの岩が多いの急な下り、夏のように子供達が多いことは無く、元気であればピョンぴょンすいすいと降りられるのですが、ちょっと元気がありません。撮影が終わると何故かカメラが重くなります。14時00分に
一の越に到着。ココからは整備された緩やかな登山道を下って室堂平です。みくりが池温泉に戻って温泉につかり、荷物を詰め直して室堂ターミナルへ戻らないといけないので、もう写真も撮らずひたすら歩きました。時間を確認しなかったのですが、みくりが池温泉に到着したのは15時少し前でした。なので今回の立山縦走は、ほぼ9時間でした。
今回の反省点
- 写真撮影の山行きと言いながら、一眼レフデジカメの予備バッテリーを忘れました。みくりが池温泉で「充電器無い?」と聞くと、「ニコン?1人だけ持ってるから調べてみる」と親切にも確認してくださったんですが機種違いで使用できず・・・。ニコンの一眼って少数派???キャノンだったらよかったのかも・・・。
- 体力不足。昨年の12月からジョギングをして、禁煙もしたのですが、目標とする体力には到達しなかったようです。ちなみに目標とは、上高地から槍ヶ岳まで15kg程度のザックを背負って登山することです。
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